先日、Xでセガ音楽ゲームチーム代表であるコハD氏の以下のポストを見かけました。
音ゲーを楽しめるように曲を作ると
音ゲーを知らない人にとっては
「同じ」に聞こえるんでしょうね。英語を知らない人が英語を聞くと
なんとなく全部同じに聞こえるように。外から見ると「同じ」と感じるのは
その文化背景に関して「あまり知らない」ことが
主な原因なんじゃないかと思います。— コハD (@Koha2010) February 20, 2025
おそらくこれは少し前に話題になっていた以下のポストにある「音ゲーコンポーザーが同じような曲しか書かない問題
」を受けてのものだと思われます(それ以前にきっかけとなるポストがあったかは不明)。
音ゲーコンポーザーが同じような曲しか書かない問題、どっちかっていうと同じようなディレクションしかしないメーカーのほうが問題やと思ってる
かめりあのWHAとかあんま評判よくないけど、色んなジャンルの曲書けるのに一時期スクラッチいっぱい鳴ってる曲かPumpcoreばっかオーダーしてた弐寺も悪い— コガチャイ (@kogachai) February 18, 2025
「音ゲーコンポーザーが同じような曲しか書かない問題」に関しては、音楽ゲームに曲が多数収録されているぺのれり氏のnoteが参考になります。
「発注について」と、「音ゲー曲は似たような曲しかない問題」について思うところあったので追記しました。
なぜ「音ゲーコンポーザーは同じような曲しか書かない」と感じるのか?|ぺのれり #note https://t.co/XRh6FpNpoV
— ぺのれり (@penoreri) February 20, 2025
ざっくりした内容は
- 違いはつけてるけど聴き手に伝わってないかも
- 自分の好きな要素を入れていくとどうしても似てくるかも
- 作曲者の個性の表れだよ
- 音楽ゲームの高難度曲を作ろうとするとゲームデザインの都合上表現できる幅が狭くなるよ
みたいな雰囲気で(詳しい内容は記事を参照)、
これはだいぶ納得できるかと思います。
ぺのれり氏は作曲者であるのに対して、最初のコハD氏のポストは開発側視点のものとなります。
……なるのですが、その内容は「音ゲーを楽しめるように曲を作ると同じように聞こえる」であり、少しずれがあります。
コハD氏のポストの内容の対偶を取ると
「音ゲーを知らない人でも違いが分かる曲は、音ゲーを楽しめるように作られた曲ではない」
ということになるので、極端に言えばJ-POP等の曲は楽しめるものではないが文化をあまり知らないプレイヤーのために収録していることになります。思想が強い。
いやでも「作る上で意識されていないが音ゲーとして楽しめる」はありうるので、そういった曲をチョイスしていくことになりますか。
ぺのれり氏の音楽ゲーム向けの曲がどれも同じように聞こえるのであれば、それは「音ゲーを楽しめるように作られた曲」だからだと考えれば納得できるかも知れません?
そもそも「音ゲーを楽しめる曲」がどういったものかという問題ですが、現行のゲームに楽しめない曲が収録されているとは考えづらいため、収録曲は全て楽しめる曲であると判断してよいでしょう。
少なくとも難度が低い=楽しめない、とはならないはず。
そして「音ゲーを知らない人」にオリジナル曲を聞かせて他との違いが分かった場合、その曲は逆説的に「音ゲーを楽しめるように作られた曲」ではなく、「
……なったから何だ、という話ですね。
ということで、上の意見を(全て正しいとして)まとめると
- 作曲者としては違いを出しているつもりでも個性が強く出ることで同じような曲に聞こえる
- 音楽ゲームの高難易度を意識するとゲームデザインの関係で表現の幅が制限され、結果として同じような曲に聞こえる
- 音ゲーとして楽しめるように作ると同じような曲に聞こえる
- 違いが分かるように聞かせるなら「音ゲー」を意識してはいけない
です。
特に音楽ゲームの場合は、曲が同じように聞こえようが気にする必要はなさそうですねー。