文章を書きかけのまま放置していたら5月も末になってしまい、完全に時期を逃したの巻。
4月24日にSteamで無償公開されたポートピア連続殺人事件のAIテックプレビューを先日プレイしました。
内容はオリジナルのほぼそのままで、テキストの処理にNLP(自然言語処理)とNLU(自然言語理解)、そして自分は試していませんがSTT(音声認識)を組み合わせた技術の体験ソフトウェアだそうです。そのためカテゴリも「ゲーム」ではなく「ソフトウェア」に分類されていました。
NLG(自然言語生成)についてはヤスがあらぬことを言い出すとか何とかで使われていない模様。
ポートピア連続殺人事件はその犯人が何故か広く知られているミステリーの一つですが、それ以外の内容は実際のところ殆ど知らなかったこともあり今回はノーヒントでプレイしてみることにしました。
ゲームの内容はFC版のコマンド選択式ではなく、昔ながらのテキスト入力アドベンチャー形式ですが、入力した言葉がNLPとNLUで解釈されるため自然言語でヤスに指示を出してもゲームを進めることができるという代物です(実際のところ「え?」と聞き返される率は高め)。
ただ文章の形だと打ち込み量が多くなるため、自分は大体の場面で「調べる 地面」のようなオールドスタイルな入力でゲームを進めていました。
ただNLPであることの弊害か、「聞く 人物A」と「聞く 人物B」と同じ動詞を入力しても人物Bに対しては反応してくれず、「調べる 人物B」だとか「調べる 人物Bについて」みたいに表現を変えないと違う人物に対して同じ質問ができないパターンがあります。同じ動詞に対する解釈の統一感の無さはテキスト入力アドベンチャーとして不便かも。
また背景がビジュアライズされているのに関わらず、ところどころ画面外にあるものを(想像で)指示する必要が出てくるところも引っかかりました。
新しい場所に着いたらとりあえずLookしたい心持ち。
ゲーム内の謎解きは難度が高いものがあるのですが、電話番号を入力するシーンではこちらは自分が間違った推理で番号を入れたのにかかわらず、ヤスが正解の番号を入力したシーンがありました。想定外の回答が通ってしまうのもNLPの難点となりそうです。NLPのおかげで捜査が進んだとも言う。
また最後の段でヤスに指示する内容は一度話を読み飛ばしてしまうと完全にノーヒントになってしまい、たまたまクリアは出来ましたがだいぶ苦戦しました。
ゲームとして見るとゲームオーバーになることはなく、最終的に総当たりに落ち着くあたりは昔から変わらないスタイルですね。
またSteamということで実績システムもあります。そのうちの最難関は「証拠を127個集める」というもの。
自分の初クリア時に集まった証拠は123個で、残り4個は何だ……?と駆けずり回った結果シナリオが進むと取得不可能なものであることが分かり、改めてプレイして127個全てを集めることができました。
2週目以降はNLU VISUALISERをオンにしながらプレイしたことで取り損ねていた行動が分かりましたが、ノーヒントだと詰まりポイントとなりうる行動でした。それは気付かないぞ、と。
全体的に見るとNLPとNLUの特徴と難点が何となく分かる気になるので、技術デモを過去の名作のリメイクという形で作るのは面白いなと思いました。