斜に穿つ

8月も盆を過ぎました。
帰省中は普段あまり見ないTV番組を見る機会でもあります。
この日本語の正しい意味はどっち、みたいなクイズ番組もわりかし見かけるのですが、定期的に同じ言葉が問題として出てきているような印象があります。それだけ言葉の誤用とやらが定着しているのでしょう。

その中で先日見かけた問題に次のようなものがありました。

「うがった見方をする」の正しい意味はどっち?
A. 斜に構えた態度をとる
B. 本質を捉える

問題文は違いますが、概ねこんな感じでした。
もちろん正解はB。


……?
もちろん「穿った見方」の意味はBのような意味であり、これは文化庁広報誌「ぶんかる」にもそう書いてあるほどの定番の問題です。

ではAの「斜に構える」がどういう意味かと言えば、

1 剣道で、刀を斜めに構える。
2 身構える。改まった態度をする。
「風上へ―・え、糸のように目を細くして立ち竦んでいる」〈里見弴・多情仏心〉
3 物事に正対しないで、皮肉やからかいなどの態度で臨む。「世間に対して―・える」

とあります。剣道を語源とするなら2の意味が正しいと言えるみたいです。
つまり「穿った見方」の意味に対してAの選択肢を選んでもあながち間違いではない--わけでもないか。

TV番組としては、「斜に構える」を3の意味として捉間違いだいう問題なのでしょう。これも本来は誤用として扱われるべき言葉のはずですが、辞書に記載されているということはあまりにも広まりすぎてしまっているということでしょうか。
2と3で相反する意味を持っているので、相手が「斜に構える」という言葉を持ち出した場合はどちらの意味であるかを文脈から判断する必要があります。誤解を防ぐためには使用しないほうがいいという結論にもなるわけで、「誤用」のせいで言葉が使えなくなるというのも難儀な話ですねー。

他の定番の誤用としては「姑息な手」「独壇場」「すべからく」等あるものの、これらを言葉を自分から使う機会がほぼないので誤用とされる意味の方ばかりが使われていくという問題。
自分自身が誤用と気付かずに使っている言葉もあるはずなので、指摘されたらできるだけ改めていきたいところです。

斜に構えたり構えなかったりし過ぎて却って斜に構えている気がする企画(デイリーポータルZ)もあったりしてなかなかややこしい。

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